今問題発言で世間を騒がしている牛丼チェーン店。今度は外国籍排除問題で非難殺到しているという記事をネットでみかけました。発端は、採用説明会に予約したハーフの大学生に対して、外国籍と勝手に判断し、説明会への参加を拒否をしたとの事。その後採用担当者からのメール文には、《外国籍の方の就労ビザの取得が大変難しく、ご縁があり内定となりました場合も、ご入社できない可能性がございます》と記してあったということでした。
人権・ジェンダー平等が求められる現代においてこのような発言は如何なものかと思いましたが、同時になぜ外国籍の方を受け入れれなかったのか?そこには多くの問題が隠されているのではと考えました。まずは外国人労働者の現状等を知ることが大切だと感じましたので、今回はこのようなテーマを掲げお話をしていきたいと思います。
外国人労働者の現状
国内における総在留外国人数は、2020年はコロナ禍の影響もあり減少していますが、2019年の日本の外国人登録者数は、 293万 3000人で、日本の総人口の 2.32%となっています。同じく、日本で就労している外国人労働者の数も、2019年10月末時点で165万9000人で、年々増加傾向と考えられるでしょう。
2020年 10 月末時点で、外国人労働者を雇用している事業所数は 267,243 か所、外国人労働者数は 1,724,000 人となっており、2019年 10 月末現在の 242,608 か所、1,659,000 人に比べ、24,635 か所(10.2%)、65,000 人(3.9%)の増加となりました。外国人を雇用している事業所数及び外国人労働者数ともに2007年に届出が義務化されて以降、過去最高の数値を更新したものの、対前年増加率は、事業所数で前年 12.1%から 1.9 ポイントの減少、労働者数で前年 13.6%から 9.6 ポイントの大幅な減少となっているようです。
また、政府は深刻な人手不足に対応するために、2019年4月に、改正出入国管理・難民認定法を施行し、特定技能1号と特定技能2号という新しい在留資格を新設しました。改正法の特徴としては、今までは許容しなった単純労働分野でも外国人労働者を正式に受け入れることが可能となったことです。特定技能1号の対象業種は、下記図の通り14業種となっていますが、特定技能2号の対象業種は、1号の業種が14業種あることに比べて、2業種です。日本滞在期間については、特定技能1号が通算5年までしか滞在できない在留資格なのに対し、特定技能2号は日本滞在の期間に制限がありません。
特定技能の在留資格を取得した外国人労働者の受け入れが可能な業種は、人材確保が難しい状況にあります。外国人によって不足人材の確保を図る必要がある業種に制限されていますが、今後、深刻な人手不足が発生した他の業種があることが認められれば、省令改正により様々な業種にも広がっていく可能性があると考えられます。
今後の課題
コロナ禍以前から人手不足が深刻となっていた、介護や建設業界などの業界においての外国人労働者数は、年々増加傾向で、 製造業や小売業などの業界でもが増加しており、外国人労働者を受け入れる動きは活発になっていますが、外国人労働者がより安心して活躍できる社会を作るためにはまだまだ課題が多いのが現状です。
まず第1の課題として、外国人労働者が働く労働条件を改善する必要があると考えます。適切な賃金を支払わないといけないのに安価な労働力で働かされたり、労働環境の悪さが問題になる等、このような社会問題をニュースでもよく見かけますよね。 前項の特定技能の在留資格で働く分野は、少子高齢化により若年層が減少する日本では、労働条件が厳しい業種や仕事が多く若者が集まらないため、外国人労働者を受け入れ、人手不足の問題を解決しようとしています。最初は日本が好きだったり、憧れを抱いて、日本に来てくれるかもしれないですが、労働条件が他の業種や他国に比べてよくないことがネットなどで分かると、外国人労働者を確保することが難しくなる可能性も高いと思います。海外で導入・実施しているような、国民と外国人を両方均等に労働関係法を適用、保障される、雇用許可制等の導入がされるとより多くの外国人労働者が日本で活躍することができると考えられます。
2番目に制度をもう少しシンプルにし、企業の負担を最小化する支援を行う必要があると考えます。企業側が在留資格や在留期限を見て就労可能かを確認をし、外国人雇用状況の届出を提出したりと、雇用・労務管理の手間や管理の大変さがあることや、言語や文化の違いでコミュニケーションの不完全が起き、入社後の人材育成がうまくいかないこと等、企業の負担が多いため、公的な支援を導入したり等企業の負担を減らすことを考えていく必要があると感じます。
また、特定技能の1号の在留資格が認められ、日本で働いている外国人労働者は、2021年12月末時点で49,666人となっていますが、書類が複雑で不備などが多く認定まで時間がかかっているため、思っているよりも認定者が少ないようです。この新しい制度により外国人労働者を雇用する企業の経済的負担を減らすとことはもちろん、手続きをより簡単にするために制度を再検討する必要があるのではと思いました。
そして最後に、お互いの文化の理解を深めることも重要な1つだと考えます。
外国労働者を受け入れることによって、文化の違いに戸惑ったという人も多いのではないでしょうか。言語や解釈の仕方が違うことはもちろん、日本では当たり前な挨拶や時間を守ることを、もともと知らないという外国人もたくさんいます。そこで、まずはそれらについて知ってもらい、相手の国の文化も知るということが大切です。 お互いの文化を知ることで理解が深まり、良い関係性が作っていけるのではないでしょうか。
今回のテーマ、外国人労働者の現状と今後の課題についていかがでしたでしょうか。
日本国内においては、中小企業を中心に人手不足を解消するために、外国人採用が増加傾向にあります。
しかし、外国人雇用には、企業側の受け入れ体制を整えることや、労働条件を改善すること、公的な支援の導入や制度の簡易化等の課題もあり、外国人雇用に消極的な企業が多いのも現状です。
外国人労働者の受け入れは決してネガティブなものではありません。むしろ職場が活発になったり企業が海外進出のきっかけになるなどの多くのメリットになり得ると思います。
Wematchでも外国人労働者数が増加している今、外国籍の方が応募可能な求人を強化し、また、各事業所へのニーズのリサーチも同時に行い、双方にとって有益となるようなご提案ができるよう努力してまいります。